監督はアカデミー賞(外国語映画賞)にノミネートされた「万引き家族」など手掛ける是枝裕和初の韓国映画。主演は「パラサイト 半地下の家族」で知られるソン・ガンホ。
「ベイビーブローカー」は第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出され、主演のソン・ガンホが最優秀男優賞を受賞されました。
「パラサイト 半地下の家族」以来2度目の韓国映画(過去に「私の頭の中の消しゴム」も遠い過去に見たので3回目か。あの作品は感動した記憶が蘇る。)を鑑賞。私は未婚40寄りの30代。最近「理想の家族のかたち」とはと考えることが多く、とても見たい作品でした。今回は作品のあらすじを紹介します。
赤ちゃんポストを介して出会う
・捨てられた赤ちゃんを売って仲介費を稼ぐ男2人サンヒョン(ソン・ガンホ)ドンス(カン・ドンウォン)。
ある雨の夜、ドンスの働く赤ちゃんポストが設置されている施設に、若い女性が赤ちゃんをポストの前に置き手紙を残して去っていきました。
それを少し離れた車内から見ていたのは刑事のスジンと後輩のイ刑事。
スジンはこのままでは赤ちゃんが雨に濡れて死んでしまうと、ポストに入れて再び社内へ戻ります誰かを張り込んでいるようです。
扉が閉まるとブザーがなり、サンヒョンとドンスは赤ちゃんを回収。防犯カメラにはなにも映らないように細工をします。
置き手紙には「ウソン 必ず迎えに来る」と書かれていましたが連絡先はなく、こういう親はほとんどが迎えに来ないことを知っていたドンスは子供の欲しい夫婦に売ることを望みます。
ところが翌日、思い直して戻ってきた母親ソヨンは赤ちゃんがいないことに気が付き、警察に通報しようとします。それを見たドンスは仕方なく彼女のもとに案内し、赤ちゃんを育ててくれる親を探していたと白状します。
ソヨンは呆れながらも彼らと共に養父母探しの旅に出ることになります。
養護施設で育ったこどもの行く末
赤ちゃんポストを見張っていた刑事は、実は人身売買を現行犯逮捕しようとするためサンヒョンたちを追っていました。
それを知らないサンヒョンたちは出発し1人目の買い手夫婦に会いにいきます。
しかし夫婦は赤ちゃんの顔が写真で見るより可愛くないと、値下げしろと交渉してきます。自分の子供を罵られたソヨンは思わず怒りで声を荒げ交渉は決裂。
そのころ高級ホテルで男性の遺体が発見。担当の刑事は犯人は女性だと推察します。
交渉が決裂したサンヒョンたちはドンスが育った児童養護施設に立ち寄ります。
都会で働くドンスは子どもたちの憧れですが、子どもたちの置かれている状況を聞いて昔の自分を重ねます。
「迎えに来る」と言って迎えに来る親は40人中1人。自分はその1人だと思っていたドンスは、同じように子どもを捨てようとしたソヨンを非難し、口論になりましたが、サンヒョンがソヨンにドンスの過去を伝えたことで、ソヨンはドンスに謝ることでお互いを理解する気持ちが芽生えはじめました。
サンヒョンが次の買い手のもとへ移動している途中、施設を出たがっているヘジンが車に乗り込んでいたことが分かり、しかたなく旅を続けることに。
産みの親の苦悩
サンヒョンたちを追うスジン刑事は、なんとしても現行犯逮捕をすべく、おとりの買い手夫婦を用意。入念な準備をしますが、ドンスが夫婦の嘘を見抜き作戦は失敗。
そのころ殺人事件を追う刑事は売春の元締めをする女性と会っており、スヨンも彼女のもとで育ちました。ある男性と関係を持ち子どもを産んで姿をけしたことがスジン刑事に伝わります。
ある夜、スヨンがひとりでコンビニにいたところをスジン刑事が待ち構えていました。
実は殺人事件の犯人はスヨンだったのです。殺された男はヤクザの大物であり、スヨンの赤ちゃんウソンの父親でもありました。
スジンはサンヒョンたちの逮捕に協力すればソヨンとウソンの安全を保障すると話を持ちかけ、スヨンは承諾します。
その後ドンスは車からスヨンが取り付けたGPSを発見。彼らはスジン刑事を撒くため、車を乗り捨て車で次の買い手の元へ向かいます。
子どもを幸せにできるのは実親だけなのか
次の買い手夫婦は最近死産してしまった夫婦でした。女性は赤ちゃんに母乳をあげていいかとスヨンにたずね、夫婦は自分の子どものように愛おしいまなざしでウソンを見つめ、複雑な面持ちでスヨンはそれを眺めます。
夫の方は実子として育てたいため、スヨンには会うのを遠慮してほしいと申し出ました。そしてスヨンに一晩じっくり考えてほしいと言います。
その後サンヒョンたちは、ヘジンが憧れていた遊園地で本当の家族のように楽しいじかんを過ごします。
観覧車の中でドンスはスジンに「ぼくたち5人で育てる選択もある」と言いますが、
犯罪者の子どもとして育ってほしくないと拒みます。
その夜サンヒョンは1人喫茶店に向かいました。離れて暮らす娘と会って
いたのです。お金が入ったらまた家族3人で暮らそうと言いますが、
娘から「もうすぐ子どもが生まれる」ことを知り、復縁の望みがないことを知ります。
夫婦に子どもを託すことを決意したスヨンは、これまで旅を共にした一向とわが子に「生まれてきてくれてありがとう」と伝え、それぞれの想いの中最後の夜を過ごします。
翌朝、ソヨンの姿がないことに気が付きましたが、予定通りサンヒョンたちは夫婦に会いに行きます。途中、暴力団の組員のテホが現れ、ウソンを渡すように迫りますが、サンヒョンはウソンをドンスに託し、サンヒョンとテホは路地へと消えていきます。
ドンスは取引を進めますが、スジン率いる警官隊が突入し彼らは人身売買の現行犯で逮捕されてしまいます。
そのころサンヒョンは高速バスに乗り込む途中、「ある暴力団組員が殺され、現場からは4000万ウォンが置かれていた」というニュースを横目にバスへと向かいます。
3年後、ウソンはスジン夫婦に育てられていました。情状酌量と模範囚で景気を終えた、ソヨンに養父母に会う日が決まったと手紙をでしました。
ソヨンはウソンをスジンに託し、養父母が出所したら引き渡すことを条件に、情報を流し自ら自首していたのです。
ガソリンスタンドで働きだしたソヨンのロッカーには当時旅をしていたときの写真を眺め、そしてウソンを取り巻いていた大人たちは再開の場所に集まります。
そこに向かうソヨンの姿を見守るように、離れた場所にワゴンが止まっていました。
理想の家族のかたちとは
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